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絶景!紅葉温泉

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温泉に浸かりながら紅葉の絶景を見ると、「日本の秋は美しい」としみじみ感じ、自然の豊かさに感謝したくなります。温泉カメラマンの杉本さんがカメラ越しの目で惚れ込んだ全国の紅葉温泉宿をご紹介します。

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写真家 SUGIMOTO KEI 杉本圭

温泉カメラマンとして、福岡を拠点に日本全国の温泉旅館を撮影。秋田県乳頭温泉郷のオフィシャルカメラマンを務める。その傍ら湯治文化を紐解き、北欧のサウナ文化との融合を模索する。放送作家の小山薫堂氏が提唱する「湯道」メンバーに加わり、入浴文化を世界に発信している。

心地よい、いい風にあたりに行くのが紅葉温泉の醍醐味ですね

今回のお宿は、ビジュアル重視で選んでいますが、全て場所に写真では見えない「良い風」が吹いているんです。木々や草木の香り、なんとなく人々が生活している感じとか、風は色んな匂いを運んできてくれる感じがします。私が言っているのは気の流れや目に見えないもの、いわゆるフィーリングのようなものですが、これが結構大切なんじゃないかと感じています。 秋は、昼はまだ暖かいけれど、朝晩は寒い季節。冷えた身体を温泉に入って温めて、温まったら、心地よく冷たい風を感じて。これがすごく心地よかったりします。身体が冷えたら、またお風呂に入ればいいだけですし。地方にわざわざ行く理由は、私がサウナを楽しんだりすることもあるんですが、やっぱり「風」が大きな要素だと最近感じています。これが、紅葉の時期に温泉に行く理由なのかなと思っています。紅葉時期に温泉に行くのも好きですが、雪が積もる雪見露天も大好きで。さらにいえば、ゴールデンウィーク明けから、梅雨入りぐらいまでの時期も、実は好きだったりします。新緑のグリーンが美しく、温泉地に人も少ない、蚊もセミもいない静かな5-6月が個人的にはおすすめです。

特におすすめ!
【十勝岳温泉・凌雲閣】日本で一番早く紅葉露天風呂が楽しめるビジュNO.1

提供:杉本圭

十勝岳温泉の『凌雲閣』は、北海道の中でも標高が一番高い場所にある温泉です。十勝の風景を借景にし、山の稜線に沿って広がる温泉で、ビジュアル的にも非常に美しいです。濁り湯はオレンジがかった茶褐色で、十勝岳の山頂には雪が積もり、その周りは紅葉に囲まれています……。北海道の紅葉は、一般的な紅葉とは一味違った美しさがあるんです。まず、樹木は白樺の白さが際立っています。そして、この地域の紅葉は、黄色や赤色系が多いので、色のコントラストがとても美しいんですね。濁り湯の露天風呂には、あったかい湯船とぬるい湯船があり、ぬる湯は結構冷たい温度です。私はまずはあったかい湯船に浸かり、温まった身体をぬる湯に移して、この景色を眺めながらゆっくり過ごします。紅葉の時期は、だいたい10月の上旬から始まります。多分、日本で一番早く降雪する場所の1つかもしれません。十勝の町ではまだ雪が降っていなくても、山を登るにつれて雪が積もっていることもあります。スタッドレスタイヤが必要になることもありますので、急遽山が荒れると登れなくなることも多々あるので、十分に注意が必要です。
紅葉時期:10月上旬~中旬

凌雲閣

十勝岳温泉北海道

標高1,280mと北海道で最も高地にある温泉宿。大自然の美しさは雲の上にあり四季折々の絶景を楽しむことができる。

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提供:杉本圭
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特におすすめ!
【白骨温泉・小梨の湯 笹屋】乳白色の湯がつくる淵模様と白樺の紅葉は唯一無二

提供:杉本圭

白骨温泉は、乳白色の湯で、見た目は青白い色をしています。温泉の石灰成分が長い年月をかけて、湯船の周りに淵模様を作り出しているんです。私が『小梨の湯 笹屋』で一番美しいと思うのは、この露天風呂。湯船の淵の白さと、その奥に広がる白樺林が素晴らしい。午後になると、奥のほうから日が差し込み、白樺の紅葉が美しく輝きます。その白樺の足元にはクマザサがいっぱい生えていて、白、青、赤、黄、緑といった色のコントラストが、単色ながらも他の温泉ではなかなか見られない美しい組み合わせになります。淵模様がこんなにきれいな白は、他では見られないですね。だから、温泉マニアもこの景色にはたまらなく、「必ず入りたい!」と言って、このお風呂目当てに訪れる方も多いんです。露天風呂は貸し切りなので、この空間を独占できるのは本当に贅沢ですよね。さらに、男女別の内湯からの眺めも美しく、周りにはもみじが植えられています。お湯の青と浴槽の白、その中に紅葉の赤や黄色が映り込む様子は、まさに鏡面反射を起こして、美しさが倍増します。
紅葉時期:11月上旬

小梨の湯 笹屋

白骨温泉長野県

白樺林に囲まれた秘湯の一軒宿。旬鮮食材の創作和食、四季折々の景色と白骨温泉のやわらかいお湯を楽しめる。

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提供:杉本圭
宿の情報はこちら

特におすすめ!
【乳頭温泉郷・黒湯温泉】『風の谷のナウシカ』を想わせる金色の景色が広がる

提供:杉本圭

『黒湯温泉』には、ススキ林に囲まれた混浴の露天風呂がポツンとあって、ここが非常に美しいです。風が吹くとススキがサーっと揺れ、日が差すと、いわゆる『風の谷のナウシカ』のラストシーンのように、金色の草原のような光景が広がります。その奥にはブナの紅葉が広がっており、圧倒される景色が広がります。乳頭温泉郷では木材に秋田杉を使っていて、雪国なので鉄筋で作る方がメンテナンスが楽ですが、あえて秋田杉を使って朽ちていくことに価値を見出しているんだそうです。源泉地が宿の横にあり、乳白色の温泉がぼこぼこと湧き出ていて、その周囲には茅葺き屋根の湯治棟がポツポツと立っている。さらには紅葉した山々に囲まれるその景色はまるで、童話の世界に迷い込んだかのようですよ。
紅葉時期:10月上旬~下旬

黒湯温泉

乳頭温泉郷秋田県

乳頭温泉郷の中で最も奥にあり、江戸時代からの歴史を持つ。 源泉地が宿の横にあり、沸々と温泉が噴出す様子を見ることができる。

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提供:杉本圭
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特におすすめ!
【黒川温泉・山みず木】川のせせらぎを聴きながら、露天から眺める紅葉は随一

提供:杉本圭

『山みず木』には、男性露天風呂『幽谷の湯』と女性露天風呂『森の湯』というそれぞれ広い露天風呂があります。どちらの露天風呂も目の前には川が流れており、そのせせらぎの音も心地よいですが、白波が立つ川の風景は写真家としてもビジュアルが美しすぎて、思わず唸ってしまいました。ゴロゴロと岩が転がる川の周りには、真っ赤や黄色に紅葉したもみじや、茶色のクヌギが点在し、味わい深い景色が広がっています。昔話の世界を彷彿とさせるような雰囲気の中で、自然をゆったりと感じることができる場所です。
紅葉時期:11月上旬~下旬

山みず木

黒川温泉熊本県

自然を肌に感じて川沿いの露天風呂でゆっくり時を忘れてくつろいで頂く。川のせせらぎを聞きながら和室でゆっくりと。

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提供:杉本圭
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【乳頭温泉郷・妙乃湯】混浴露天風呂から眺める色とりどりの紅葉と渓流の絶景

提供:杉本圭

乳頭温泉郷には7つの温泉宿があり、全体的に湯治場のような雰囲気がありますが、『妙乃湯』はその中でも少しラグジュアリーな感じのお宿です。料理もおいしく、家具や調度品もハイセンスで、快適に過ごせます。『妙乃湯』には、泉質の異なる2つの源泉があり、無色透明の『銀の湯』と、天候や酸化によって色が変化する基本的に濁り湯の『金の湯』があります。混浴露天風呂は『金の湯』で、この日のお湯は赤茶色に染まっていました。目の前には、ダムのような人工的な滝があり、その向こうには美しい渓流と色とりどりの紅葉が広がり、まさに絶景です。混浴露天風呂以外にも、男女別の露天風呂なども完備されているので、色々な湯めぐりが楽しめます。
紅葉時期:10月上旬~下旬

妙乃湯 (たえのゆ)

乳頭温泉郷秋田県

こぢんまりとした秘湯の素朴さと、古さに新しさのバランスを加味した趣のある湯宿。2種類の泉質と7種類の湯船が楽しめる。

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提供:杉本圭
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【峩々(がが)温泉・峩々温泉】蔵王の紅葉した山々に囲まれ、デジタルデトックス

提供:杉本圭

『峩々温泉』は蔵王の山々に囲まれたお宿で、電波はほぼ圏外です。ただし、ロビー周りにはWi-Fiが通っているので、ロビーに行けば世の中と繋がることができます(笑)。比較的高級な湯治宿ですが、同時にデジタルデトックスもできる場所です。さらに、紅葉の時期に訪れれば、蔵王の山々が紅葉で色づき、より素晴らしい体験ができると思います。露天風呂の眼下には川が流れており、紅葉したもみじが生い茂る蔵王の自然を存分に感じることができますよ。紅葉の時期には、薪ストーブに火が入っていて、宿全体が落ち着いた雰囲気に包まれます。お風呂からはもちろん、宿のいろいろな場所から素晴らしい景色が楽しめます。
紅葉時期:10月上旬~中旬

峩々温泉

峩々温泉宮城県

蔵王の山に抱かれて心身を休める秘湯の宿。明治初期から受け継がれる「峩々温泉」は、日本三大胃腸病の名湯と知られる。

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提供:杉本圭
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【四万温泉・たんげ温泉 美郷館】大自然と滝のせせらぎに包まれた自然体験

提供:たんげ温泉 美郷館

『たんげ温泉 美郷館』には、大浴場、露天風呂、貸切露天風呂を合わせて計6箇所の湯船があります。私のお気に入りは『滝見の湯』で、湯船の前には小さな滝が流れており、まるでお風呂に向かって滝水が流れ込んでくるかのような感じです。その周りの林が紅葉していて、湯船から見る景色は自然に包まれ、まずその美しさに圧倒されます。貸切露天風呂には、木と岩の2種類の浴槽があり、白波が立つ川の流れと紅葉の美しい景色が広がり、こちらも眺めが素晴らしかったです。ステンドガラスが施された大浴場もあり、浴槽の縁には木で彫られたカエルが貼り付けられていて、遊び心を感じます(笑)。大浴場も名物なので、紅葉の時期に行くとどの湯船に入ろうか悩んでしまいそう。宿の中で湯めぐりを楽しむのがおすすめです。
紅葉時期:10月中旬~11月上旬

たんげ温泉 美郷館

四万温泉群馬県

木のぬくもりあふれる奥上州の秘湯の一軒宿。山あいの奥深い場所にひっそりと息をひそめる夢かなう郷。大自然の中で、ゆっくりと過ぎゆく刻を楽しむ。

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提供:たんげ温泉 美郷館
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【宮島温泉・岩惣】どこを切り取っても美しい宮島の紅葉は圧巻

提供:杉本圭

広島県宮島といえば、もみじ饅頭が有名なように、『岩惣』は宿全体が紅葉に囲まれており、紅葉の美しさが本当に素晴らしいです。宿前には赤い太鼓橋があり、紅葉の時期になると観光客が押し寄せて、大行列ができてしまうほど・・・!客室からの眺めも非常に美しいです。お風呂は1階にあり、上からもみじが降りてくるような感じで、紅葉を眺めながらくつろぐことができます。厳島神社は、実は夜になると人がぐっと少なくなります。さらに、紅葉の時期には紅葉スポットがライトアップされ、夜の紅葉もまた一段と美しいです。昼間は人で賑わっていますが、夜は全く別世界のような静けさが広がります。ぜひ『岩惣』に滞在して、宮島の紅葉を存分に体感してほしいです。
紅葉時期:11月中旬~下旬

岩惣

宮島温泉広島県

世界遺産の弥山原始林を借景に、水と緑を満喫する立地。明治25年建築の玄関には野生の鹿も遊びにくることも。

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提供:杉本圭
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【黒川温泉・山河】真っ黄色に輝く、くぬぎ林は忘れられない光景

提供:杉本圭

『旅館 山河』の露天風呂には、男性専用露天風呂と女性専用露天風呂があり、たくさんのもみじやクヌギに囲まれたダイナミックで美しい景色が広がっています。ただ、もみじが近くにありすぎて、温泉の地熱や湯気、湿度の影響で、意外にも紅葉が進まないことがあるんです。間近すぎるため、紅葉が色づかず、12月中旬くらいまで粘っていることもあります。面白いですよね。貸切風呂には六尺桶風呂があり、男女別の内湯も完備されており、温泉の選択肢は豊富です。また、ここは日帰り入浴も受け付けています。チェックイン時の夕方、15時頃に宿が逆光になるんですが、その時間に紅葉したくぬぎ林がびっくりするほど真っ黄色に輝きます。太陽の反射ではなく、紅葉の反射なので、幻想的な美しさを感じます。囲炉裏で火を焚いているんですが、その煙がちょうどいい具合に上がっていて、逆光の中でもくもくと立ち上る煙が光の筋と一緒に浮かび上がり、それがさらに美しいんです。あの景色は、やっぱり忘れられない光景の一つですね。
紅葉時期:11月上旬~下旬

旅館 山河

黒川温泉熊本県

露天風呂からながめる四季折々の風景と、効能豊かな2つの泉質が自慢の一軒宿、温泉を楽しんだ後は地元食材を使った旬の会席料理を。

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提供:杉本圭
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この記事の温泉地でおすすめの宿

凌雲閣

十勝岳温泉北海道

標高1,280mと北海道で最も高地にある温泉宿。大自然の美しさは雲の上にあり四季折々の絶景を楽しむことができる。

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提供:杉本圭
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小梨の湯 笹屋

白骨温泉長野県

白樺林に囲まれた秘湯の一軒宿。旬鮮食材の創作和食、四季折々の景色と白骨温泉のやわらかいお湯を楽しめる。

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提供:杉本圭
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黒湯温泉

乳頭温泉郷秋田県

乳頭温泉郷の中で最も奥にあり、江戸時代からの歴史を持つ。 源泉地が宿の横にあり、沸々と温泉が噴出す様子を見ることができる。

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提供:杉本圭
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山みず木

黒川温泉熊本県

自然を肌に感じて川沿いの露天風呂でゆっくり時を忘れてくつろいで頂く。川のせせらぎを聞きながら和室でゆっくりと。

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提供:杉本圭
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妙乃湯 (たえのゆ)

乳頭温泉郷秋田県

こぢんまりとした秘湯の素朴さと、古さに新しさのバランスを加味した趣のある湯宿。2種類の泉質と7種類の湯船が楽しめる。

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提供:杉本圭
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峩々温泉

峩々温泉宮城県

蔵王の山に抱かれて心身を休める秘湯の宿。明治初期から受け継がれる「峩々温泉」は、日本三大胃腸病の名湯と知られる。

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提供:杉本圭
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たんげ温泉 美郷館

四万温泉群馬県

木のぬくもりあふれる奥上州の秘湯の一軒宿。山あいの奥深い場所にひっそりと息をひそめる夢かなう郷。大自然の中で、ゆっくりと過ぎゆく刻を楽しむ。

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提供:たんげ温泉 美郷館
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岩惣

宮島温泉広島県

世界遺産の弥山原始林を借景に、水と緑を満喫する立地。明治25年建築の玄関には野生の鹿も遊びにくることも

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旅館 山河

黒川温泉熊本県

露天風呂からながめる四季折々の風景と、効能豊かな2つの泉質が自慢の一軒宿、温泉を楽しんだ後は地元食材を使った旬の会席料理を。

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