動的CMSと静的CMSとの違いや特徴、選び方について解説
掲載日:2023年05月09日
更新日:2023年12月21日
CMSとはContents Management Systemの略称で、Webサイトの構築・運用を効率的にするツールのことです。CMSは、ページの生成方法やデータの呼び出し方などによって、動的なタイプと静的なタイプの2種類に分類できます。
本記事では、導入前に必ず押さえておきたいCMSのふたつのタイプについて、それぞれの特徴や選び方のポイントを解説します。
他にもCMSは様々な分類方法があります。CMSを提供タイプで分類した記事については、「クラウドCMSとは?CMSの種類や特徴、選び方を解説」をご覧ください。
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CMSの概要とCMSのタイプ
Webサイトの構築・運用においては、CMSを活用することが一般的になりました。CMSには、構築が容易なことと、更新管理の利便性が高いという大きな特徴があります。はじめに、CMSの概要やメリットなどを見ておきましょう。
CMSとは
CMSは、テキストや画像、レイアウト情報などの更新やコンテンツ管理を統合的に行えるツールです。CMSは本来、管理や更新に手間のかかる大規模サイトを効率的に運用するために開発されました。その後、安価なCMSパッケージやオープンソースのCMSが増えるに伴い、導入も容易になりました。現在では、サイトの規模にかかわらず広く利用されており、Webサイトの構築・運用にCMSを使うことが一般的になりました。
CMSを活用するメリットは、制作会社に依頼しなくても自社だけでWebコンテンツを更新できることです。かつては、HTMLやCSSの知識を持った人材がいない場合は、更新作業が発生するたびに制作会社に依頼する必要がありました。CMSを導入すれば、誰でも手軽にWebサイトを更新できるようになります。これは、Webサイトを管理するうえで大きなメリットです。
更新作業をCMSを使わずに手作業で行う場合、リンク設定や公開タイミングを間違えたり、誤った修正を元に戻せなかったりする可能性があります。CMSには、こうした事態を防ぐ更新管理機能が充実しており、手作業で起こりがちな人為的ミスも防げます。
動的CMSと静的CMS
CMSは仕組みや用途によって、動的CMSと静的CMSの大きくふたつに分類できます。
動的CMSの仕組みと特徴
動的CMSと静的CMS、それぞれについて詳しく見ていきましょう。まずは、動的CMSについてです。
動的CMSでは、ユーザーのアクセスを受けてから、データベースに保存されている画像やテキストなどを組み合わせてHTMLファイルを生成します。空のテンプレートに、その都度情報を書き込んで表示するイメージです。
動的CMSのメリットとデメリット
動的CMSは、ページを動的に生成することから、ユーザーのアクションによってリアルタイムでページの内容が変わるWebサイトを得意とします。そのため、ECサイトや会員サイトなどの構築は、動的CMSを使うことがほとんどです。加えて、さまざまな条件での検索結果を即時に生成できるメリットがあるため、検索機能を主体とする不動産や求人情報サイトなどに強いという特徴があります。
動的CMSのデメリットは、静的CMSに比べ、ページを表示するまでに多少のタイムラグがあることです。また、その都度ページを生成するため、短時間に大量のアクセスがあると、サーバに大きな負荷がかかり、Webサイトがダウンすることもあります。
セキュリティ面において、データベースやCMSがWebサーバと同一環境である場合は、不正アクセスや改ざんなどの危険性があります。一般的に、動的CMSは静的CMSに比べるとセキュリティリスクが高いと言われています。
静的CMSの仕組みと特徴
静的CMSの場合、WebサーバとCMSを稼働させるCMSサーバが別々に用意されます。これが、静的CMSの大きな特徴といえるでしょう。静的CMS では、CMSサーバで生成し保存したHTMLファイルをWebサーバに転送してブラウザに表示するというシンプルな仕組みになっています。
Webサイトのセキュリティやサーバへの負荷などを考慮したCMSの選定ポイントについては、以下のダウンロード資料もご覧ください。
「CMS・Web基盤の選定ガイド」
静的CMSのメリットとデメリット
静的CMSでは、CMSサーバで生成したページをそのままHTMLファイルとしてWebサーバに転送するため、ユーザーのアクセスに対してレスポンスが速いことがメリットです。Webサーバは完成したファイルを表示するだけであり、大量の同時アクセスに強く、安定性にすぐれていることも特徴です。
静的CMS ではCMSサーバとWebサーバが分離しているため、ユーザーはWebサーバにのみアクセスすることになります。そのため、CMSサーバのセキュリティを確保しやすいのです。また、CMSサーバがダウンした場合でも、Webサーバが稼働していればサイト閲覧への影響を抑えられます。
静的CMSのデメリットは、静的CMSだけではECサイトや会員サイトなど、ユーザーごとにリアルタイムで表示が変わるWebサイトの構築が難しいことです。この場合、部分的に動的CMSを導入するといったハイブリッドな対応が必要になります。
それぞれのCMSに適したWebサイト選定のポイント
CMSは、Webサイトの規模や性質に応じて、動的CMSまたは静的CMSを選択することが重要です。
動的CMSで構築したサイトでは、プログラムを使ってデータベースから呼び出した情報をページとして生成します。ユーザーのアクションに応じて表示する内容が変わるサイトや、ユーザーの状態を判別して情報の出し分けを行うサイトでは、主に動的CMSが選ばれます。
動的CMSが適している主なサイトは以下のとおりです。
・マイページ機能を持つ会員サイト
・ECサイト
一方で、静的CMSで構築したサイトは、HTML、CSS、画像、JavaScriptなどから構成され、Webサーバ上でページを生成する必要がなく、高速で表示されるという特徴があります。
静的CMSが適している主なサイトは以下のとおりです。
・高いセキュリティを求めるサイト
・リアルタイム表示を必要としないブログサイト
動的CMSと静的CMSをサイトによって使い分けましょう
動的CMSと静的CMSでは、ページを生成して表示する仕組みが異なり、それぞれに得意なサイトと不得意なサイトがあります。まずはCMSの特性を正しく理解し、自社で構築したいサイトはどちらに適しているかを整理することが重要です。 Webサイトに求める機能や目的に適さないCMSを選択してしまうと、最悪の場合は、途中で構築が進まなくなってしまうこともあります。
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