光コンセントとは?
種類や設置場所の探し方、光回線の工事方法を解説
掲載日:2024年08月20日
光コンセントとは、光回線を室内につなぐために設置する設備のひとつです。
光コンセントを介してONU(光回線終端装置)などを設置すると、部屋でインターネットを使用することができます。光コンセントには種類があり、配線方式によっては光コンセントではないものが設置されている場合もあります。
光コンセントにはどのような種類があり、どこに設置されているのか、さらには光コンセントの有無によって工事内容が変わるのかといった疑問を持つ人もいるのではないでしょうか。
本記事では、光コンセントについて種類や特徴、設置場所の探し方の他、光コンセントが設置されている場合のメリットなどについてもご紹介します。
光コンセントとは光回線専用のコンセント
光コンセントとは、光回線を室内につなぐために設置する光回線専用のコンセントです。
電柱から建物内に引き込んだ光ファイバーの出口となり、光コンセントにONU(光回線終端装置)またはホームゲートウェイをケーブルで接続して利用します。
光コンセントは、建物内の共用部から各部屋まで光ファイバーで配線する「光配線方式」の場合のみ、設置されるコンセントです。光配線方式は、光ファイバーを光コンセントまで直接つなげる方式なので、他の接続方式(LAN配線方式やVDSL方式)に比べて回線速度が速いとされています。
高速で安定した光回線のパフォーマンスを最大限発揮するためにも、光コンセントは欠かせない設備なのです。
光コンセントの種類は2つ
光コンセントには、一体型タイプと分離型タイプの2種類があります。どちらを設置するかは、光ファイバーをどのように室内へ引き込んでいるかによって決まります。一体型と分離型は形状が異なるだけで、性能に違いはありません。
一体型タイプ
一体型タイプの光コンセントは、最も一般的な形状の光コンセントです。屋外から引き込まれた光ファイバーは壁内を通って配線されるため、光コンセントは壁面に設置されます。
電源コンセントや電話用モジュラージャック、テレビのアンテナ端子などと一緒になっていることが多く、このうち光回線で利用するのは左右どちらかの端に配置された縦長の凸状部分です。「光」もしくは「光コンセントSC」と表記された部分の下部に、光ファイバー端子を差し込めるようになっています。
分離型タイプ
分離型タイプの光コンセントは、電源コンセントなどから独立した、光コンセント専用の小さな機器を設置します。壁にネジでとめられているか、床に置かれている場合が多いでしょう。
分離型タイプは、あとから光回線を引き込んだ場合に設置されることが多く、エアコンダクトや壁に開けた穴から光ファイバーを引き込んで設置されます。ケーブルが露出しているため、一体型タイプに比べて見た目が気になるかもしれません。
使い方は一体型タイプと同じく、「光」もしくは「光コンセントSC」と表記された部分の下部に、光ファイバー端子を差し込みます。
光コンセントは配線方式によってない場合もある
光回線には、光コンセント以外に「LANコンセント」または「モジュラージャック」を利用した配線方式もあります。特に、いくつかの事業所が入るオフィスビルやマンションの場合、必ずしも光コンセントが完備されているわけではなく、代わりにLANコンセントやモジュラージャックが設置されていることもあるので注意が必要です。
ここからは、それぞれの違いについて説明します。
LANコンセント
LANコンセントとは、「LAN配線方式」の光回線で設置されるコンセントです。LAN配線方式では、屋外から建物の共用部までは光ファイバーを引き込んでいるものの、そこから各オフィスや部屋まではLANケーブルで配線されます。
LANケーブルのデータ転送速度は光ファイバーよりも劣るため、光配線方式に比べると回線速度はやや遅めですが、通信環境は比較的安定しています。
モジュラージャック
モジュラージャックとは、「VDSL方式」の光回線で設置される電話回線用ケーブルの差し込み口です。VDSL方式は、屋外から建物の共用部まで光ファイバーを引き込み、そこから各オフィスや部屋までは電話回線(モジュラーケーブル)を利用します。
VDSL方式は、比較的古い建物に多く用いられており、回線速度は他の接続方式と比べると劣ることが多いといわれています。複数人が同時にインターネットを使用するオフィスでは、通信環境が安定しない場合もあるでしょう。
>VDSL方式とは?光回線の接続方式の違いや通信速度が遅いときの対処法を解説
光コンセント(光配線方式)で
快適な通信速度を実現
光回線には、光コンセントとLANコンセント、モジュラージャックを利用した方式がありますが、最も通信が安定していて速度が速いのは、光コンセントを利用した光配線方式です。「オフィスなどで複数人が同時にインターネットを利用する」「ビデオ通話や容量の大きいデータのやりとりをする」といった、業務にインターネット環境が欠かせない法人や個人事業主の場合、光コンセントを利用した光回線の導入がおすすめです。
光配線方式の導入には、基本的に光コンセントの設置工事が必要になりますが、もし建物に光コンセントが設置済みの場合、工事不要で光回線が利用できる可能性が高く導入もスムーズです。
オフィスに光回線の導入を検討しているなら、まずは光コンセントの有無を確認してみましょう。
ただし、光コンセントはフレッツ光や光コラボなどのNTT回線を使用した光回線を利用するための設備です。NTT回線を利用した光回線以外のサービスを利用したい場合、すでに設置された光コンセントが使えない可能性もあります。光コンセントを探す際は、どの回線事業者で使えるものかも併せてチェックしてください。
インターネット回線の種類について詳しくは下記をご参照ください。
>光回線の種類をわかりやすく紹介!おすすめの回線はコレ
光コンセントの探し方のコツ
光コンセントを探すときの目印は、「光」または「光コンセントSC」という文字です。また、「NTT」の文字とロゴが記されていることもあるので、これらを目印に光コンセントを探してみましょう。光コンセントの設置場所は下記の3カ所にあることが多いので、重点的にチェックしてみてください。
電話機のモジュラージャック付近
光コンセントがある可能性が最も高いのは、固定電話用のモジュラージャック付近です。多くの建物内には電話線が引き込まれており、光回線はその配管を使って光ファイバーを引き込み、光コンセントを設置することが一般的です。特に一体型タイプの光コンセントは、「TEL」と書かれたモジュラージャックと一緒になっている可能性があります。
エアコンダクト付近
建物によっては、エアコンダクトを使って、光ファイバーを室内に引き込みます。その場合は、エアコンダクト付近の壁に分離型タイプの光コンセントが設置されている可能性があります。
エアコンダクトから、ケーブルや配線カバーが出ていたらチェックしてみましょう。
他のコンセント付近
光コンセントは、電気用のコンセントやテレビのアンテナ端子と、一緒に設置されているケースもあります。また、比較的新しい建物では、通信機器や配線を目立たなくするために、配電盤の横やクローゼットの中など、人目に付きにくい場所に光コンセントを設置している場合もあります。
オフィス内で、なかなか光コンセントが見つからないときは、NTTに電話で確認してみましょう。
光コンセントの有無と光回線開通工事の関係
光コンセントの有無によって、光回線を導入する際に必要な開通工事の程度がわかります。
ここからは、光コンセントがある場合と、ない場合の開通工事について、詳しく説明します。
光コンセントがある場合は開通工事が不要なことが多い
オフィスや部屋に光コンセントがある場合、建物への光回線の引き込み工事は完了している可能性があります。そのため、NTT回線を利用した光回線(フレッツ光や光コラボ)に申し込めば、光回線の開通はNTT局内の切替工事だけで済み、利用者側は光コンセントに通信機器(ONUまたはホームゲートウェイ)をつなぐだけで光回線の利用が可能です。開通工事のためのスケジュール調整や立ち会いの手間もかからず、開通にともなう工事費用が抑えられるメリットもあります。
ただし、NTT回線を利用しない独自回線を申し込む場合は、開通工事が必要です。また、光コンセントがあっても建物内の光ファイバーが撤去されているなどの理由で、回線がつながっていない場合もあります。その際は、光コンセントがない場合と同様の費用になるので注意しましょう。
光コンセントがない場合は開通工事が必要
室内に光コンセントがない場合は、光回線の開通工事が必要です。光回線の開通工事は、工事担当者が派遣される派遣工事が必要になりますが、申し込みから工事まで2週間~数カ月かかる場合もあるので、早めの申し込みがおすすめです。
開通工事の手順は、オフィスがビルやマンションなのか、戸建てなのかで異なるため注意してください。オフィスがビルやマンションの場合は、屋外から建物の共用部にある集合装置まで光ファイバーを引き込み、そこから各部屋へ光ファイバーを配線して、室内に光コンセントを設置します。戸建ての場合、屋外から建物内に光ファイバーを引き込み、壁内の配管またはエアコンダクトを通して、室内に光コンセントを設置します。光コンセントが設置されたら、光コンセントとONUなどの通信端末を接続すれば、開通工事は完了です。
注意したいのは、オフィスが賃貸の場合や、複数戸が入るビル・マンションの場合です。これらの建物での開通工事には、管理会社や大家の許可が必要となります。また、建物の構造上の問題で、工事ができないケースもあるため、光回線の申し込み前に各所に光回線の工事が可能かを確認しておきましょう。
開通工事の有無を把握するなら管理会社への確認がベスト
オフィスに光回線が開通されているかを確認するには、建物の管理会社や大家に問い合わせるのが確実です。光コンセントがあったとしても、「建物内の光ファイバーが撤去されている」「配管内でケーブルが断線している」といった可能性もあります。その場合、新たに開通工事が必要になるので、注意が必要です。また、築年数の古い物件の場合は、開通工事の前に現地調査が必要になることもあります。
光回線の導入なら
法人向けビッグローブ光がおすすめ
オフィスに光コンセントが設置されている場合、高速で安定した光回線の利用をおすすめします。ただし、利用できる光コンセントは回線事業者ごとに異なるため、光回線の乗り換えや新規導入の場合は、新たに別の光コンセントの設置が必要になることもあります。
オフィスや小規模事務所に光回線を導入するなら、法人向けビッグローブ光がおすすめです。法人向けビッグローブ光は、NTT東日本・西日本の光回線とビッグローブのプロバイダサービスが一本化された光コラボレーション(光コラボ)です。
法人向けビッグローブ光は、個人事業主や任意団体でも契約でき、利用環境に合わせて1ギガタイプと10ギガタイプを選べます。
>1ギガと10ギガの違いをわかりやすく簡単にまとめた比較表はこちら
IPv6(IPoE方式)という新しい接続方式に対応しているため、地域や時間帯の影響が少なく、快適にインターネットが利用できます。また、インターネット利用時の疑問やトラブルも、法人専用問い合わせ窓口でしっかりサポート。お申し込みはWebで完結できるので、書類の送付や店舗に出向くなど、面倒な手間がないのもうれしいポイントです。
まとめ
光コンセントとは、光ファイバーと直接つなげる光回線専用のコンセントです。建物に光コンセントが設置されていれば、光回線の開通工事が不要なことが多く、工事費が抑えられるなど光回線の導入や乗り換えに大きなメリットがあります。
「オフィスの回線速度に不満がある」「オフィスを移転する予定がある」といった場合は、自社に適した法人向け光回線への乗り換えがおすすめです。法人向けビッグローブ光は、標準でIPv6(IPoE方式)接続に対応しているうえ、豊富なオプションサービスも用意されています。光回線導入や乗り換えを検討している企業のIT担当者や個人事業主の方は、ぜひお気軽にご相談ください。