法人向け無線LANを導入するメリットとは?
有線LANとの違いや選び方について解説
掲載日:2025年02月21日
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店舗や事務所を設立する場合、業務効率の改善や働き方の柔軟性を求めるうえで法人向け無線LANの導入は欠かせません。
しかし、無線LAN導入の手順や方法、選び方がよくわからず、無線LANの導入や乗り換えに踏み切れない方もいるでしょう。また、すでに無線LANを導入しているものの、より快適な環境にしたい方もいるかと思います。
そこで本コラムでは、無線LANを導入するメリットを紹介し、有線LANとの違いや選び方、注意点について紹介します。これから自社への無線LAN導入を検討している方は、ぜひご一読ください。
法人のオフィスに無線LANを導入するメリット
オフィスに無線LANを導入すると、以下のようなメリットがあります。
- 導入コストの削減になる
- フリーアドレスで仕事ができる
- 業務効率の改善が期待できる
導入コストの削減になる
無線LANの導入は、有線LANに比べてコストを抑えやすいです。有線LANを導入する場合、ネットワークにつなぐ各PCにLANケーブルの配線が必要となります。
そのため、費用や時間の面で導入コストがかかり、長期的に使用する場合を考えるとメンテナンスコストもかかるでしょう。フロアや階層が分かれている場合は、さらに配線が複雑になり、費用も嵩んでしまいます。
一方、無線LANであれば、LANケーブルをPCに直接接続する必要がなく、その分コストを削減できて導入時間を短くすることができます。
フロアや階層が分かれている場合も、アクセスポイントを設置するなどで接続範囲を広げることが可能です。
無線LANを選ぶほうが導入コストを抑えられ、スムーズにインターネット環境を構築できるでしょう。
フリーアドレスで仕事ができる
フリーアドレスとは、オフィスで個人の席を定めず、社員が自由に席を選べるオフィススタイルのことです。無線LANを導入した場合、通信の届く場所であればどこでも働くことが可能です。
座席一つひとつにパソコンや有線LANなどの機器を設置する必要がなく、座席レイアウトを考慮する手間が省けるのはメリットになるでしょう。
有線LANの場合だと、レイアウト変更時に配線工事が必要になる可能性がありますが、無線LANであればより柔軟にレイアウト変更ができるのもメリットです。
業務効率の改善が期待できる
無線LANを導入し、社内のどこにいても働くことができれば、業務効率が上がります。移動先で有線LANをつなぐ必要もないため、社内の会議だけでなく、来客がノートパソコンを持参して打ち合わせをする際にも、スムーズに業務を行えるでしょう。
有線LANの場合は、パソコンのようにLANポートが搭載された機器に利用が限られますが、無線LANであれば、スマホやタブレットからも簡単にネットワークに接続可能です。活用できる機器の幅が広がり、より社員の生産性が向上する可能性が高まります。
また、オフィスだけでなく店舗でも無線LANは活躍します。たとえば、防犯カメラを設置する場合、無線LANであれば設置が簡単です。遠隔地からでもリアルタイムで店舗を監視できるようになり、防犯対策ができます。
法人向け無線LANを導入するなら
知っておくべき2つの違い
無線LANを導入するにあたり、ネットワーク環境の用語について違いを把握しておきましょう。
無線LANと有線LANの違い
有線LANとはLANケーブルを使用して、インターネットなどのネットワークに接続することを指します。一方、ケーブルをつなぐことなくワイヤレスで接続するのが、無線LANとなります。
現在では便利な無線LANの普及が進み、家庭でも企業でも無線LANを使うケースが多くなっています。
無線LANとWi-Fiの違い
無線LANは無線通信で構築されたネットワークであるのに対し、Wi-Fiは、その無線通信の規格の一つを指します。無線LANの国際標準規格に該当する製品がWi-Fiと呼ばれているため、無線LANとえいえばWi-Fiという認識を持たれています。
定義上は別ものですが、無線LANの中でもっとも利用されている規格が「Wi-Fi」だと把握しておくとよいでしょう。
法人向け無線LANを導入する3つの手順
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オフィスに無線LANを導入する際は、以下3つの手順で進めます。
- 社内ネットワークを調査する
- ネットワーク機器の配置を考える
- 運用管理方法をマニュアル化する
1.社内ネットワークを調査する
自社に合ったインターネット環境を整えるため、インターネットを使う場所や接続予定の機器の内訳を確認しましょう。
パソコンだけでなく、タブレット端末や電話機など、インターネット接続が必要な機器を洗い出し、電波の届く範囲で接続できるようにします。無線LANの親機は接続可能台数に上限があるため、利用する端末の台数もチェックしておくといいでしょう。現状のインターネット環境における問題点も洗い出しておくと、現状の改善やトラブル発生を未然に防ぐことにつながります。
2.ネットワーク機器の配置を考える
ネットワーク調査の結果にもとづき、インターネットの利用方針を決めたら、機器の配置を考えます。社員の要望や実現可能性、性能やコスト面なども考慮しながら、どこにルータを設置するか、何台必要かなどを検討します。
また、壁や棚のような障害物があると、電波が遮られて通信が不安定になるため、設置場所は重要です。たとえば、ネットワーク機器の近くにワイヤレス通信が可能なカメラや電話などがある場合は、電波干渉が起こる可能性があります。そのため、無線LANと同じ周波数を使う機器からは遠ざけて設置するのがポイントとなります。店舗や事務所にルータを設置する場合は、どこでも安定して使えるように、なるべく部屋の中心の天井に設置するのがおすすめです。
3.運用管理方法をマニュアル化する
「速度が遅い」「インターネットにつながらない」といった不測の事態に備え、運用管理方法をマニュアル化しておきましょう。ネットワークトラブルが起きると、会社は大きな損害を被るリスクがあります。管理手順を明確化しておくことで、迅速な対応ができるでしょう。
たとえば、社内全体のインターネット速度が遅い場合は、まず原因を突き止める必要があります。ルータは正常に動作しているか確認し、問題なさそうであれば次にインターネット回線の障害状況を確認する、といった流れで確認手順と対処法をまとめておくことをおすすめします。社内で対処できなかった場合に備えて、問い合わせ先をマニュアルに記載しておくことも重要です。
法人向けビッグローブ光では、法人専用のサポート窓口を用意しています。不具合があった際も、迅速に対応できるサポート体制があります。
法人向け無線LANを導入する場合のリスク
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法人が無線LANを導入する際は、以下の2点に注意する必要があります。
- セキュリティリスク
- 通信が不安定になるリスク
セキュリティリスク
法人向け無線LANを導入する際には、以下のようなセキュリティリスクが伴います。
- 情報漏洩
- データ改ざん
- ウイルスへの感染
- 従業員による私的利用
とくに情報漏洩は、法人向け無線LANの導入においてもっとも気をつけるべきリスクです。セキュリティ対策を行っていないと、外部の人間が簡単に企業情報にアクセスできてしまい、通信妨害や傍受をされる可能性が高まります。
機密情報や顧客情報などの重要なデータが漏れ、企業の信用を失うケースも想定されるため、セキュリティレベルの高い無線LAN機器を使うようにしましょう。
通信が不安定になるリスク
無線LANは、ほかの機器の干渉を受けない有線LANに比べて、速度が不安定になる可能性があります。コンクリートの壁や電子機器といった障害物が多い場所に設置すると、通信が安定しないこともあるでしょう。無線LANで通信が不安定な場合は、設置場所の見直しをしましょう。周囲に電磁波を発生する機器があれば、それらの配置を変える、またはルータの設置場所を変更するといった工夫ができます。
おすすめの設置場所は、部屋の中央で床よりも少し高い位置です。通信速度を安定させるために、アクセスポイントを利用することも検討してみてください。アクセスポイントは以下の記事で詳しく解説しています。
法人向け無線LANルータの選び方
法人向け無線LANルータを選ぶポイントは、以下の3つです。
- 接続可能台数は何台か
- 通信速度は問題ないか
- セキュリティ対策は万全か
接続可能台数は何台か
接続可能台数は、製品の種類によって異なります。接続可能台数を超えての同時接続は、通信の遅延や一時停止を起こす可能性があり、業務に支障をきたすこともあります。利用人数のシミュレーションを行い、適切な接続台数に対応しているルータを導入するのが重要です。
また、利用人数だけでなく、今後さまざまなIT機器を導入することも踏まえ、接続可能台数に余裕のある無線LANルータを選ぶのがおすすめです。
通信速度は問題ないか
無線LANに限らず、オフィスでインターネット環境を整えるうえで通信速度は重要な指標となります。通信速度は規格によって最大通信速度が決まっています。
主な通信規格は以下の4つです。
通信規格 |
最大通信速度* |
周波数帯 |
---|---|---|
IEEE802.11n(Wi-Fi4) |
600Mbps |
2.4GHz帯/5GHz帯 |
IEEE802.11ac(Wi-Fi5) |
6.9Gbps |
5GHz帯 |
IEEE802.11ax(Wi-Fi6) |
9.6Gbps |
2.4GHz帯/5GHz帯 |
IEEE802.11be(Wi-Fi7) |
36Gbps |
2.4GHz帯/5GHz帯/6GHz帯 |
- 通信規格上の最大通信速度であり、実際の通信速度は、ご利用端末、宅内配線、回線の混雑状況などにより低下します。
最新の規格ほど速度も優れている傾向にあり、新しくルータを導入するときは、新しい通信規格に対応しているものを選ぶのがおすすめです。
セキュリティ対策は万全か
無線LANには、データの盗難や不正侵入などのリスクがあるため、セキュリティ対策をするのも重要です。無線LANルータには採用されている暗号化規格が異なり、主な規格は以下の3つとなります。
種類 |
特徴 |
---|---|
WPA |
TKIPという一定時間ごとにパスワードを変更する暗号化方式を使用している |
WPA2 |
AESという米国政府で使われている共通鍵暗号方式を使用している |
WPA3 |
軍事地域でも無線LANを利用できる強固な暗号化方式を使用している |
暗号化規格は、新しいものほどセキュリティ強度が高まります。最新の暗号化規格「WPA3」は個人用と企業用にわかれているため、WPA3の企業に対応した機種を選ぶといいでしょう。
無線LAN導入時のインターネット回線なら
光回線が適している
無線LANを導入するなら、光回線がおすすめです。インターネット回線にはモバイルWi-Fiやホームルータなどがありますが、通信速度の速さや安定性は光回線のほうが優れています。
特に、複数人が同時に接続しても、光回線なら安定した通信が可能です。同時接続可能台数も多いため、オフィスや店舗で無線LANを導入するなら、光回線を選んでおくと快適にインターネットを利用できるでしょう。
無線LANを導入するなら
法人向けビッグローブ光がおすすめ
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法人向けビッグローブ光は法人契約ができる光回線であり、以下のようなメリットがあります。
- IPv6の新しい接続方式に対応している
- 特典利用でお得に契約できる
- 法人専用のサポート窓口がある
法人向けビッグローブ光に採用されている通信方式は「IPv6」であり、通信速度の速さや安定性を維持しやすいという特徴があります。業務効率化や大量データの送信といった観点を踏まえると「IPv6」に対応していることは、大きなメリットになります。
また、法人向けビッグローブ光ではお得な特典を用意しています。1ギガタイプの新規契約、乗り換えどちらでも「IPv6対応の無線LANルータ」をプレゼント*していますので、ぜひこの機会に導入をご検討ください。
さらに法人専用の窓口があるため、光回線の導入やご利用についての疑問、不安に思われる点など、お客さまをしっかりサポートいたします。
- 本特典は予告なく変更または終了することがあります。
まとめ
無線LANはLANケーブルが不要であり、配線工事や導入の手間がありません。フリーアドレスで仕事ができたり、業務効率の改善ができたりといったメリットもあるため、法人向けのインターネット接続には無線LANの導入がおすすめです。
複数の社員が大量のデータを送受信したり、オンライン会議をする機会もあるため、接続可能台数や通信速度が選ぶ際のポイントとなります。安定した高速通信が可能であり、同時に接続できる台数も多い光回線を選ぶと、オフィスで快適にインターネットを利用しやすいでしょう。
法人向けビッグローブ光では、通信速度が安定した光回線サービスを提供しています。IPv6接続に対応していたり法人専用窓口があるなど、法人利用に嬉しい特典もご用意しているので、ぜひお気軽にご相談ください。