インターネット回線の法人契約とは?
おすすめの選び方や個人契約との違いを解説
掲載日:2022年03月01日
更新日:2024年12月19日
企業がビジネスをするうえで、インターネット回線は欠かせません。インターネット契約には個人契約と法人契約がありますが、企業が契約するなら法人契約がおすすめです。法人契約なら、ビジネスで役立つサービスが提供されているからです。しかし、どのサービスが自社に適しているのか迷うケースもあるでしょう。
本記事では、インターネット回線の法人契約と個人契約の違いをはじめ、法人契約のメリットや選び方、開通までの手続きについて詳しく解説します。
インターネット回線の利用には回線事業者とプロバイダとの契約が必要
インターネット回線を利用するには、まず「回線事業者」「プロバイダ」それぞれの事業者と契約をする必要があります。では、回線事業者・プロバイダとはそれぞれどのような役割を持っているのでしょうか。インターネット回線を利用するために必要な基本知識として、回線事業者・プロバイダそれぞれについて理解を深めてみましょう。
さっそく、回線事業者・プロバイダの基本情報を紹介します。
回線事業者って何?
回線事業者とは、インターネットに接続する回線を提供する事業者のことです。具体的にNTT東日本・NTT西日本・KDDIなどが回線事業者に該当します。後述しますが主な回線サービスとして「光回線」「ADSL」「CATV」などが挙げられます。例えば、光回線であれば光ファイバー、ADSLなら電話回線を各エリアに敷設することで、利用者にインターネット回線を提供しています。利用者は回線事業者と契約すると、光回線などインターネット回線を利用できるようになる仕組みです。
ただし、インターネットに接続するには、別途プロバイダの契約が必要です。また、インターネット回線の開通工事は、回線事業者の担当です。新規でインターネット回線を使うなら、回線事業者に連絡して工事を実施しなければなりません。
プロバイダって何?
プロバイダとは、回線をインターネットに接続するためのサービスを提供する事業者です。具体的に、ビッグローブやSo-netなどがプロバイダに該当します。インターネットを利用するには、回線事業者の契約のみでは使用できません。プロバイダのアクセスポイントを経由しなければインターネットに接続できないためです。インターネット利用時は、回線事業者とプロバイダの両方を契約しましょう。
回線とプロバイダをまとめて1社で契約できる、光コラボレーション(光コラボ)とよばれるサービスも普及しています。また、プロバイダが提供するサービスは「IPアドレスの割り当て」「ルータのレンタル」「電子メールアドレスの発行・管理」などが挙げられます。
主要なインターネット回線は4種類
回線事業者によって、さまざまな種類のインターネット回線が提供されています。インターネット回線を利用する際に必要な知識となるため、知っておくことが重要です。自社の用途にあわせて、利用するインターネット回線を選択しましょう。主要な回線の4種類について、詳しく解説しますので、インターネット回線を選択する際の参考にしてみてください。
1.光回線
光回線は光ファイバーケーブルを利用したインターネット回線であり、現在主流のインターネット回線です。光回線を利用するには、建物内に光ファイバーケーブルを引き込む開通工事が必要です。光ファイバーを使用し、光の屈折・反射などを活用してデータを転送します。通信の高速性や安定性に優れており、快適にインターネットを利用することができます。
主なサービス提供として、NTT東日本・NTT西日本が提供する「フレッツ光」や、NTTの通信回線を借り受けて独自サービスを提供する「光コラボレーション」などがあります。
2.モバイル回線
モバイル回線は、大手キャリアが提供しているモバイル通信を利用したインターネット回線です。こちらは光回線とは違い、大手キャリアがサービスを提供しています。主な通信規格には4G・5G・LTEなどが挙げられます。モバイル回線を利用する際は、携帯電話会社の基地局に無線通信でつながっているため、光回線のように有線を用いなくても気軽にインターネットを利用することができます。持ち運びにも適しており、外出先でもインターネットに接続できます。
また、モバイル回線はインターネットの開通工事が不要です。申し込みをして、端末の初期設定を行うことで利用を開始できます。
3.ADSL
ADSLは、電話回線を利用するインターネット回線です。光回線が普及する前から利用されていましたが、2024年末にサービスが終了する予定です。事業者によってはすでにサービスが終了しているケースもあります。
通信速度は最大で上りが5Mbps、下りが50Mbps程度で、実際には設置場所からNTT収容局までの距離などにより速度が低下するうえ、光回線と比較すると通信速度が遅いことから、インターネットの利用時に不便を感じる可能性があります。
4.CATV(ケーブルテレビ)
CATVは、ケーブルテレビの回線を利用したインターネット回線です。テレビ放送の配信に使うケーブルの一部を活用してインターネットに接続します。CATVを利用するには、ケーブルテレビ事業者との契約が必要です。光回線と同様、利用開始するには開通工事が必要です。
CATVはインターネットの利用料に加えてテレビの視聴料を含めたプランの他、インターネット利用のみのシンプルな料金プランも用意されています。利用用途を明確にして必要なプランで契約しましょう。
インターネット回線の
個人契約と法人契約の違いを比較
インターネット回線を契約する際の契約方法には「個人契約」と「法人契約」の2種類があります。個人契約のインターネット回線はいわゆる一般家庭で契約する光回線です。それに対して法人契約は、光回線にプラスして法人に特化したサービスを追加契約したり、サポートを受けることができます。
ビジネスで使う回線だからといって必ずしも法人契約をしなければいけないわけではありません。SOHOや個人事業主の場合には、個人契約しているインターネット回線を利用して、経費を按分計算している方も多いのではないでしょうか。
個人契約、法人契約どちらでインターネット回線を契約すべきか迷った際は、光回線にプラスして法人向けサービスやサポートが必要かというところをポイントに検討してみてください。
インターネット回線を法人契約する
メリット、デメリット
法人契約のメリットには、固定IPアドレスやサポート体制、帯域保証、複数サービスをまとめて契約可能などがあります。一方、提出書類の手間や値引きの少なさがデメリットとして挙げられます。以下、それぞれを詳しく説明します。
法人契約の4つのメリット
固定IPアドレスが使える
法人契約する際の大きなメリットは法人向けに固定IPアドレスを提供しているプロバイダが多いことです。固定IPアドレスを利用すれば、パソコンへのリモートアクセスに利用したり、ネットワークカメラを利用する、サーバ構築を行えるなどさまざまなことができるようになります。
法人向けのサポート体制
法人専用のコールセンターがあったり、営業担当者が付いたりとサポート体制が充実しているプロバイダもあります。光回線にトラブルがあったときや、請求や契約に関して疑問があったときなど、法人向けのサポートが受けられることは、大きなメリットといえます。
帯域保証のついたサービスも
プロバイダによっては、帯域保証型のインターネット回線を用意している場合もあります。料金は高額ですが、通信が混雑する時間帯でも一定の帯域を確保してくれ、契約した通信速度を保証してくれます。安定した通信速度が必要な業務の場合におすすめです。
法人向けサービスをまとめて契約
大手プロバイダの場合、VPNやセキュリティソフト、ホームページサービスなどビジネスに必要なサービスがそろっているので、インターネット回線と一緒に契約することができます。支払いがまとまり、問い合わせ窓口も一本化できます。
法人契約の2つのデメリット
契約時に提出書類が必要なことも
プロバイダによって、または利用する光電話の内容によっては、契約時に登記簿謄本などの書類が必要になってきます。個人契約なら免許証や保険証で済むことが多いので、個人契約より準備に手間がかかります。
法人契約は大幅な値引きがない
個人契約の場合、キャッシュバックや月額料金値引き、工事費相当額値引きなどさまざまな特典を行っていますが、法人契約の特典は個人契約に比べて控え目です。そのため、法人契約は高い印象を受ける場合もあります。
法人契約するときのインターネット回線の
選び方と注意点
次は、法人契約する際にどういった観点でインターネット回線を選べばいいのかをご説明します。たくさんあるプロバイダの中から自分のビジネスに合ったプロバイダを探すのは大変です。最低限、チェックすべき点を挙げるのでプロバイダ探しの参考にしてみてください。
まずは法人契約ができるプロバイダか
プロバイダはたくさんありますが、個人契約のみの提供で法人契約は受け付けていないプロバイダもあります。また、法人契約を受け付けているけれど、コールセンターは個人契約と一緒の窓口ということもあります。まずは、法人契約を受け付けているか、そして法人向けのサポート体制があるかを確認してください。
通信速度は?IPv6(IPoE接続)対応か?
法人契約ができることがわかったら、次は通信速度を確認します。ビジネスで使う回線なので快適な通信品質を求めると思います。そこでおすすめなのがIPv6(IPoE接続)に対応した光回線です。IPv6(IPoE方式)は新しい接続方式で、IPv6(IPoE方式)対応ルータを利用することで地域や時間帯の影響が少なく快適にインターネットを利用できます。
月額料金は適正か
当たり前ですが、月額料金は低いほうがいいですよね。法人契約向けの特典は個人契約に比べて控え目ですが、プロバイダ各社、特典や月額料金値引きを行っています。数社比較してみてはいかがでしょうか。中にはWeb上で料金を試算したり、見積り書を作成できるプロバイダもあります。
今後使いたいサービスも契約できそうか
法人契約のメリットにも上げましたが、大手プロバイダではVPNやセキュリティソフト、ホームページサービス、モバイル通信などたくさんの法人向けサービスを用意している会社もあります。もしセキュリティソフトや社用携帯電話が必要なら、一緒に契約できるか調べてみてはいかがでしょうか。
支払い方法は複数あるか
インターネット回線の利用料金を支払い忘れると、インターネットが利用できなくなり業務が停止してしまいます。もし、なかなか事務作業に割く時間がないといった会社の場合には、請求書払いだけでなく、口座振替、クレジットカード払いなどの支払い方法があるプロバイダを選ぶと心配事を1つ減らすことができるのではないでしょうか。
開通時期に注意。早めの申し込みがおすすめ
新しく光回線を敷設する場合、通常でも1カ月ほどの期間がかかります。さらに、1月~4月の引っ越しシーズンは回線工事が混み合って、さらに時間がかかることも。光回線を引くことが決まったなら、早め早めの申し込みをおすすめします。
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ビッグローブ光の契約から開通までの手続き
ここからは、法人向けビッグローブ光の契約から開通までの流れを紹介します。ビッグローブ公式サイトからお申し込みができるため、利用者が店舗まで行く必要がなく、好きなタイミングで契約手続きを進めることが可能です。また、一部のサービスを除き書類提出が不要なため、手間を最小限に抑えてビッグローブ光の契約手続きを完了させられます。
ビッグローブ光で契約を検討する際の参考にしてください。
1.Webからのお申し込み
ビッグローブ光を利用するなら、Webから申し込みをしましょう。申し込みフォームに、企業名や所在地、光回線のタイプなどを入力していきます。あらかじめ、回線の設置先住所、申し込みたいオプションサービスの情報などを整理しておきましょう。
2.会員証の到着
お申し込み後、1週間程度でビッグローブから「BIGLOBE法人会員証」が届きます。BIGLOBE会員証とは、契約内容や接続設定などの情報が掲載された書類のことです。ビッグローブ光の接続設定を実施する際に必要になるため、大切に保管しましょう。
3.工事予定日の調整
光回線の開通工事をいつにするか調整します。ビッグローブの工事調整窓口から電話がかかってくるので、工事日を決定します。工事には立ち合いが必要なことが多いため、自社の立ち合い担当者のスケジュールも事前に確認しておきましょう。工事予定日が近づくと、工事予定日が記載された「ビッグローブ光 開通のご案内」が届きます。また別途、光回線の接続に必要なONUなども届きますので内容を確認しましょう。
4.導入工事
工事予定日になったら、NTT東日本・NTT西日本の工事会社が光回線の設置場所を訪問し、導入工事を実施します。工事内容によって変動しますが、工事時間は30分〜2時間が目安です。また、工事後はお客さま自身でインターネット接続設定を実施します。具体的な手順は以下のとおりです。
- 周辺機器の準備
- ルータの設定
- 設定完了
法人ビッグローブ光の接続設定の方法については、以下の関連記事で詳しく解説しています。
インターネット回線に関するよくある質問
最後に、インターネット回線を契約する際のよくある質問と回答を紹介します。事前に質問と回答を理解して、スムーズに手続きを実施できるように準備しましょう。
工事不要で使えるインターネット回線はありますか?
建物によっては、回線の開通工事の許可がおりないケースもあるでしょう。そんな時は「モバイル回線」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。モバイル回線は、工事不要でインターネットを利用することができます。モバイル回線は工事が不要なだけなく、持ち運びやすいのも特徴です。社内はもちろん、外出先でもインターネット回線に接続できることから、気軽にインターネットを利用できます。
モバイル回線は通信量に応じてプランが分かれています。どのくらいの通信量を使用するか分からない場合には、最初は通信量が大きいプランを選択しておくのがおすすめです。
1カ月利用してみて、おおよその通信量の目安が分かったら、通信量に合ったプランに契約変更しましょう。
無制限でインターネット回線を利用できますか?
通信量を気にせず利用したい場合は「光回線」がおすすめです。光回線には通信量に制限がないプランが多いため、モバイル回線のように月間の通信量を超えた場合に速度制限がかかるようなことはありません。法人の利用では、大容量のデータをやり取りしたり、オンライン上で会議を行ったりするケースが想定されます。通信量に制限のない光回線を契約すれば、円滑に業務を進めやすくなります。
ただし、回線が混雑している場合、一時的に通信速度が低下する恐れがありますが、混雑が解消されると元の通信速度に戻ります。混雑しにくい回線を選びたい場合にはIPv6(IPoE方式)接続に対応したプロバイダを選ぶとよいでしょう。
IPv6接続については、以下の関連ページにて詳しく解説しています。
どのようなケースに光回線とモバイル回線がおすすめですか?
光回線とモバイル回線は、おすすめのケースが異なります。光回線は通信量が無制限のプランが多く、また通信の高速性・安定性に優れていることが特徴です。
主に以下のようなケースにおすすめです。
- 大容量のデータ通信をしたい
- 通信速度が速く、安定した回線を利用したい
- 利用開始まで時間がかかってもよい
- 回線の開通工事ができる
一方でモバイル回線は持ち運びがしやすいことが特徴です。主に以下のケースにおすすめです。
- 外出先でインターネットを利用したい
- 早くインターネットの利用を開始したい
- 回線の開通工事ができない
まとめ
インターネット回線を法人契約にすることで、光回線だけでなくその他の法人向けサービスもまとめられる点や、法人向けのサポートを受けられるメリットがあります。ビジネスに使うインターネット回線は必ずしも法人契約でなければいけないわけではありませんが、受けられるメリットも大きいので法人契約を選択肢の一つに検討をしてみてはいかがでしょうか。
法人契約におすすめの
インターネット回線 ビッグローブ光
おすすめポイント
- 法人専用コールセンターがある
- IPv6(IPoE方式)接続対応で
スイスイ快適 - 固定IPアドレスなど法人向けサービス充実
- 支払い方法は
口座振替と請求書払いの2つ