【初心者向けガイド】
CMSセキュリティ対策の基礎知識
掲載日:2024年07月18日
更新日:2024年07月18日
企業Webサイトの安定した運用と迅速・正確な情報提供には、適切なセキュリティ対策が必須です。
セキュリティ事故による企業の社会的損失は計り知れず、Webサイトに高いセキュリティを求める案件も増えています。
もちろん、企業Webサイトの管理・運用に不可欠なCMSにおいても、セキュリティ対策は重要視すべきポイントのひとつです。ここでは、CMSのセキュリティと具体的な対策、選定ポイントについて解説いたします。
CMSセキュリティの重要性
企業Webサイトを取り巻くセキュリティ脅威
企業Webサイトは、多様なセキュリティ脅威にさらされています。外部からはさまざまな攻撃手段があり、これらからWebサイトを守るためには、各種セキュリティツールの活用や、適切なセキュリティアップデートが不可欠です。
同時に、CMSを利用してWebサイトを運営している場合、CMSにもセキュリティリスクが潜んでいます。外部、もしくは内部からの不正アクセスや情報漏えいが挙げられます。
ブランド価値への影響
セキュリティ事故が発生すると、企業のブランド価値に深刻なダメージを与える可能性があります。特に機密情報や顧客データの漏洩は、ユーザーエンゲージメントの低下や信頼喪失を招き、競争力を損なう原因になります。ブランド価値を向上させるためには、セキュリティ対策を強化し、安全で信頼性の高いWebサイト運用を行うことが求められます。これにより、企業の評判を守り、持続的な成長を支えることができます。
CMSの具体的なセキュリティ対策
CMSにはどのようなセキュリティ対策があるか
CMSの多くには、さまざまなセキュリティ対策が組み込まれており、その機能を利用することでセキュアなCMS環境を保つことができます。具体的にどのような機能が搭載されているのでしょうか。
ログイン時のセキュリティ
ログイン時のセキュリティ強化は、CMSの基本的な防御策です。パスワードポリシー(文字数や使える文字種)の設定・パスワードの定期的な変更を求める機能が一般的ですが、複数回のログイン失敗によるアカウントロックなど、より厳格な機能もあります。
また、多要素認証(MFA)の導入により、パスワードだけに頼らない認証方法を提供し、セキュリティレベルを高められるCMSも存在しています。これにより、ログイン時のセキュリティリスクを低減することが可能です。
外部からCMSへの不正アクセスを防ぐためには、CMSの管理画面に対するファイアーウォールの設定やIPアドレスの制限などネットワークレベルでの対策が効果的です。
操作ログの取得と管理
操作ログの管理は、セキュリティインシデントの早期発見に役立ちます。一部のCMSには、どのアカウントがいつどんな作業を行ったかを記録する機能があり、不審な動きを早期に検知することができます。定期的にログを監視し、異常なアクセスや操作を確認することで、迅速な対応が可能となります。また、ログデータの保存期間を設定し、定期的に監査を行うことも重要です。
アクセス権限設定
情報漏えいを防ぐためには、CMS内でのアクセス権限設定が非常に重要です。特定のユーザーに適切な権限を設定することで、重要なデータへの不正アクセスや悪意ある変更を防止できます。これにより、情報漏えいやデータの改ざんリスクを低減し、システム全体のセキュリティを向上させます。どのようなレベルで権限設定ができるか、組織のセキュリティポリシーと照らし合わせて選定することが重要です。
プラグイン利用の場合
CMSのなかには、プラグインを追加することでセキュリティ対策を行うものもあります。
多くのセキュリティプラグインが提供されていますが、プラグインの多用は管理面でもリスクがあると言われています。
セキュリティ対策のためと色々と追加するのではなく、提供元をよく調べ、信頼できるベンダーから最低限のプラグインをインストールすることが推奨されます。
アップデートの重要性
CMSに搭載されたセキュリティ機能を安心して利用するためには、CMSのバージョンを最新に保っておくことが重要です。開発元から提供されるアップデートには、最新のセキュリティ対策や過去に発見されたバグへの対応、新機能などが含まれます。
これにより、既知の脆弱性への対策が可能です。
セキュリティ対策を実現するCMSの選定ポイント
配信方式
CMSの配信方法はセキュリティに大きく影響を与えます。
アクセスがあるとその場でプログラムを動かしてページを生成する動的配信型に対して、予め作っておいたHTMLファイルを配信する静的配信型のほうが、セキュリティにすぐれると言われています。
静的なHTMLファイルには攻撃の対象になりやすいプログラムが含まれていないため、悪意のあるアクセスに強いという特長があります。対して動的なページは、プログラムで生成されると同時にデータベースにもアクセスするため、重要なデータへのアクセスや改ざんといったリスクが伴います。
動的CMSを利用する際には、セキュリティリスクを意識し、しっかりと対策する必要があります。
配信方式の違いについては、下記コラムもご覧ください。
→ 動的CMSと静的CMSとの違いや特徴、選び方について解説
CMSのアーキテクチャとサポート
CMSのアーキテクチャも選定の重要なポイントです。プラグインなどでセキュリティ機能を拡張するタイプのCMSは、そのプラグインが最新のセキュリティリスクに対応し続ける必要があります。また、アップデートが止まってしまったプラグインは、逆に脆弱性の原因となるケースも考えられます。
本体機能にセキュリティ対策が搭載されているCMSでも、公式から適切なセキュリティアップデートが提供されることが必要です。公式のサポート体制やアップデートの難易度も選定ポイントのひとつでしょう。
インフラ基盤の重要性
CMSのインフラ基盤は、そのセキュリティとパフォーマンスに直結します。信頼性の高いホスティングプロバイダーを選ぶことで、DDoS攻撃やサーバーの脆弱性からWebサイトを守ることができます。また、クラウドベースのインフラを活用することで、スケーラビリティや災害復旧の対策が強化され、安定した運用が可能となります。
付帯するWebサイト保護サービス
インフラ基盤やクラウド型CMSには、セキュリティを強化するための付帯サービスが提供されている場合が多くあります。例えばWebアプリケーションファイアウォール(WAF)、脆弱性診断や改ざん検知などです。
これらのサービスを活用することで、Webサイト全体のセキュリティを高めることができます。同時に専門のサポートチームがあると、問題発生時の迅速な対応が期待できます。
クラウド型CMSを利用する場合は、こうしたサービスがあるかも選定ポイントの一つとなります。
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