病院のインターネットやWi-Fiについて
料金や選び方、導入方法を解説

掲載日:2025年02月21日

病院のインターネットやWi-Fiについて料金や選び方、導入方法を解説

近年、医療現場においてインターネットを活用する機会が増えています。
2023年4月から「オンライン資格確認」の導入が義務化された背景もあり、Wi-Fiを利用し始める病院も増加傾向にあります。
しかし、病院におけるインターネット環境の構築では、セキュリティや医療機器との干渉など注意すべき点がいくつかありますし、コスト面の不安などからWi-Fi導入を躊躇してしまうこともあると思います。
そこで本コラムでは、老舗ISP事業者であるビッグローブが病院のインターネット導入にかかる料金相場やWi-Fiの選び方などについて解説します。ぜひご一読ください。

病院にインターネット環境を構築するメリット

病院にインターネットを導入したりWi-Fiを整備したりすると、以下のようなメリットがあります。

  • オンライン資格確認を導入できる
  • クラウドサービスや電子カルテが活用できる
  • 患者や来院者の満足度向上につながる

オンライン資格確認を導入できる

病院やクリニックにインターネット環境を構築することで、オンライン資格確認を導入できます。
オンライン資格確認とは、マイナンバーカードのICチップや保険証の記号番号を確認することで、オンラインで資格情報の確認ができる仕組みのことです。2023年4月から、医療機関や薬局においてオンライン資格確認の導入が原則義務化されています。

オンライン資格確認を導入すれば、病院の事務負担が軽減され、業務の効率化につながる可能性があります。
例えば、病院の受付では毎回健康保険証を受け取り、氏名や先年月日、保険証記号番号などをシステムに入力する必要がありました。しかし、オンライン資格確認を導入することによって自動でデータを取り込めるようになります。同時に患者の診療履歴や薬剤情報も確認できるため、医師や薬剤師にとってもメリットがあります。

また、オンライン資格確認は病院側だけでなく患者にもメリットがあります。
患者はマイナ保険証の利用申込をしていれば、マイナンバーカードで病院を受診できますし、初めて受診する医療機関や薬局でも患者本人が情報提供に同意すれば、医師や薬剤師がデータを確認することができるため、より良い医療が受けられます。

クラウドサービスや電子カルテが活用できる

インターネット環境があれば、医療システムや電子カルテを使用できるようになり、場所にとらわれず病院内のどこからでも業務を行えるようになります。
例えば、クリニック以外でも動物病院でレントゲンのデータ転送ができたり、歯科医院で電子カルテによる患者の情報管理ができたりするでしょう。また、オンラインミーティングやチャットサービスなど、スタッフ間の連絡手段の幅が広がります。

医療現場のDX推進にはこのようなクラウドサービスの活用がポイントになります。
すでにインターネット環境を構築している場合でも、通信速度の速い環境に整えられれば作業スピードが上がり、業務効率の向上が期待できます。

患者や来院者の満足度向上につながる

ひと昔前に比べて、患者や病院訪問者のインターネット利用が増えています。そのためWi-Fi環境を整えれば、患者の満足度につながる可能性があります。
例えば病院は待ち時間が長いため、Wi-Fi環境の整備は患者の利用満足度に直結するでしょう。特に歯医者では子どもの利用が多いため、動画配信サービスやストリーミングサービスでアニメを見せて、不安をやわらげたり気を紛らわせたりするのに役立ちます。

また、入院患者にとっては家族とオンライン面会ができるようになったり、動画配信サービスで映画やドラマなどを長時間視聴できるといったメリットがあります。これらは入院による孤独感やストレスの解消にもつながります。

病院にインターネットを導入する時にかかる料金

病院にインターネットを導入するなら、安定した通信速度が特徴である光回線の導入がおすすめです。光回線の導入には、月々の利用料金と開通工事費用といったコストがかかります。

法人向け光回線の月額料金は、建物タイプや通信速度によって料金が異なりますが、おおよそ4,000〜7,000円が相場です。年額にすると48,000〜84,000円となります。また、開通工事は事業者や利用環境などによって変動がありますが、10,000〜30,000円ぐらいが相場です。
上記の金額を目安に、インターネット導入の予算を決めておくといいでしょう。

以下の記事では、月額料金や工事費用以外に手数料の相場なども詳しく解説しています。あわせてご一読ください。

病院のインターネット構築なら
有線LANと無線LANどっちがいい?

病院のインターネット構築なら有線LANと無線LANどっちがいい?

インターネット環境を構築する場合、LANケーブルを使用する「有線LAN」による接続か、ワイヤレスで接続する「無線LAN」の2つがあります。病院ではどちらが適しているか、それぞれのメリット・デメリットを交えて解説します。

有線LANのメリット・デメリット

有線LANのメリットは、安定した通信速度と比較的安全なセキュリティ、設定が簡単なことです。LANケーブルを使用してインターネットに接続することにより、外部からの電波干渉を受けにくく、安定した高速通信ができます。

一方で、設置の手間がかかることや、接続方法の柔軟性に欠ける点はデメリットになるでしょう。ケーブル配線やスイッチの配置が必要なため、病院全体で導入するには手間がかかることがあります。例えば、パソコン一台あたりのスペースが狭いクリニックでは、ケーブルが邪魔になって配線が雑然とすることもあるでしょう。

また、ケーブルの長さには制限があるため、ネットワークを拡張するには追加の機器が必要となります。常にケーブルに接続された状態でPC作業をしなくてはいけないため、業務効率も下がる可能性もあるでしょう。

無線LANのメリット・デメリット

無線LANのメリットは、比較的簡単にネットワークを構築できることです。
LANケーブルがいらないため、大規模な配線工事が不要です。ケーブルを敷設しづらい場所でも、無線LANなら対応できます。また、無線LANを導入すれば、入院患者向けにWi-Fiも提供できるため、満足度の向上にもつながります。

一方で、無線LANのデメリットは、有線LANと比較すると通信の安定性やセキュリティリスクがある点です。無線LANは他の医療機器からの電波干渉を受ける可能性があるため、接続が不安定になることがあります。
また、電波を利用してデータを送受信する無線LANは、外部から不正アクセスされるリスクが有線LANよりも高いと言われています。

病院でインターネット回線を利用する場合は、使う場所や目的、利用用途をしっかりと考慮した上で有線LANにするか無線LANにするかを検討し、適した方を選択しましょう。

病院で使用するWi-Fiを選ぶポイント

病院で使用するWi-Fiを選ぶポイント

病院にWi-Fiを導入する際には、以下3つのポイントを押さえて選びましょう。

  • セキュリティの安全性は問題ないか
  • 安定した通信速度を担保できるか
  • 管理コストは最小限に抑えられるか

セキュリティの安全性は問題ないか

病院でもクリニックでも歯医者でも、患者の個人情報を守るためにはセキュリティが重要です。病院スタッフが使用する業務用と患者用のWi-Fiを別のネットワークで設定したり、パスワードで利用できるWi-Fiを導入するなどの工夫が必要です。
また、セキュリティには暗号化規格と呼ばれるものがあり、2025年現在もっとも安全とされているのが「WPA3」です。
できるだけ強力な暗号化や認証の仕組みを採用し、個人情報の流出や不正アクセスといったセキュリティリスクを避けられるようにしましょう。

安定した通信速度を担保できるか

Wi-Fiを導入する際には、安定した通信速度であるかが重要です。
クリニックや動物病院のような小さな病院であっても、診療室や処置室、会議室など部屋が細かく分かれていることもあるでしょう。そのため、壁や窓ガラスなどの遮断物が多い中でも、快適に使用できる通信環境が必要です。

管理コストは最小限に抑えられるか

Wi-Fiルータの中には、初期設定が複雑で、知識がないと設定が難しい製品も存在します。導入や運用に手間がかかってしまうと、業務効率化を狙ってインターネット導入したとしても、かえって悪化してしまうリスクもあります。
担当者の専門知識が乏しい場合は、ボタンひとつで簡単に接続できたり、専用アプリで設定の補助をしてくれたりする製品といった、運用負荷の少ないWi-Fiを選ぶといいでしょう。

Wi-Fi導入については以下の記事で詳しく解説しています。
業務用と家庭用のWi-Fiルータの違いや、Wi-Fiルータの選び方を紹介しています。オフィス向けですが病院にも当てはまるので、あわせてご一読ください。

病院で患者向けにフリーWi-Fiを
導入する際の注意点

フリーWi-Fiとは、無料で不特定多数のユーザーが利用できるWi-Fiのことです。暗号化されていないフリーWi-Fiは、悪意のある第三者からデータを傍受され、情報が漏洩してしまうリスクが高まります。
病院によっては、患者や外部訪問者が利用する「フリーWi-Fi」と、内部のスタッフが利用する「業務用のWi-Fi」で分けているケースもあるでしょう。この場合、何も考えずに設置するとフリーWi-Fiと業務用のWi-Fiが電波干渉し、正常にネットワークに接続できなくなる可能性があります。
フリーWi-Fiのエリアと周囲にある医療機器への影響に配慮し、Wi-Fi機器を設置するようにしましょう。

病院のサイバーセキュリティ対策について

病院のサイバーセキュリティ対策について

病院が行うべきサイバーセキュリティ対策のポイントについて少し触れておきましょう。

システムの整備

病院が行うべきセキュリティ対策の第一歩は、パソコンやネットワーク機器のOSやソフトウェアを最新バージョンにアップデートしておくことです。
最新バージョンではセキュリティ上の脆弱性に対して修正を行っていることが多いため、できるだけアップデートしておくことがセキュリティ対策につながります。
また、万が一サイバー攻撃を受けてしてしまった場合に備えて、定期的にデータのバックアップをしておくことも重要です。

職員へのセキュリティ教育

病院で実際にネットワークを利用する職員に対して、正しい知識を共有することも重要です。システムを利用した後は必ずログアウトする、パスワードは定期的に更新するといった規則を決め、職員へ徹底した教育を行いましょう。
また、不正アクセスやウイルス感染などのインシデントが発生した際には、冷静に対処できるよう、対応について事前に確認しておくといいでしょう。

病院にインターネット(光回線)を導入する流れ

光回線の導入では、以下4つの流れで進めていきます。

  1. 申し込み時にエリア確認をする
  2. 開通工事の日程調整を行う
  3. 開通工事を行う
  4. インターネット接続の設定を行う

まずは、病院に導入する光回線の提供エリアを事業者のサイトなどで確認しましょう。確認できたら申し込みを行います。申し込みから利用開始まで1〜2カ月かかる場合もあるため、余裕を持ったスケジュールで申し込むのがおすすめです。

次に、開通工事の日程調整を行います。開通工事には立ち会いが必要なケースが多いため、担当者のスケジュールも事前に確認しておくと、スムーズに日程が決まるでしょう。

工事日当日は工事会社が訪問し、30分〜2時間程度で完了します。工事が完了したら、ルータの設定や周辺機器との接続を行えば、インターネットを利用開始できます。インターネット接続に不安がある場合は、接続サポートを行っている事業者を選ぶといいでしょう。

病院のインターネット(光回線)なら
法人向けビッグローブ光

法人向けビッグローブ光は法人契約ができる光回線です。病院はもちろん、小規模のクリニックや歯医者、動物病院へのインターネット導入において以下のようなサービスをご用意しています。

店舗に行かずにWebで申し込みができる

店舗に行かずにWebで申し込みができる

法人向けビッグローブ光は、店舗に足を運ぶことなく、Webで申し込みができます。人手不足で忙しい病院やクリニックの場合でも、手軽にネットで申し込みができます。

法人専用のサポート窓口がある

法人専用のサポート窓口がある

法人専用の窓口があるため、初めて光回線を導入する場合でも安心です。ご利用についての疑問やトラブルについて相談できます。法人特有のお悩みにも対応しており、お客さまをしっかりサポートします。

特典の利用でお得に契約できる

特典の利用でお得に契約できる

新規契約だけでなく、乗り換えで契約する場合でもお得な特典をご用意しています。月額料金の値引きや無線LANルータプレゼントなどの特典があるため、ぜひこの機会に乗り換えをご検討ください。

料金が気になる方は無料のWeb見積りをご利用ください。
かんたん3ステップで特典適用されたご利用料金をご確認いただけます。

まとめ

病院やクリニックにインターネットを導入すると、オンライン資格確認を導入できたり、電子カルテによる情報管理ができたりといったメリットがあります。
歯科医院も含め、医療機関における患者のインターネット利用も増えているため、Wi-Fiに接続できることが患者の利用満足度に寄与します。

病院へ導入する光回線を選ぶ際は、通信速度の安定性や管理コストをチェックすることが重要です。法人向けビッグローブで光は、通信速度が安定した光回線サービスを提供しています。Web申し込みや法人専用のサポート窓口など、嬉しいサービスもご用意しています。お得な特典もあるので、ぜひこの機会にご検討ください。

この記事を書いた人

ビッグローブ 法人編集部

ITコンサルタント/Webマーケター 松橋 直樹

大手SIer入社後、CMSビジネスの立ち上げや設計・開発・プロジェクトリードまで深く携わる。その後、数社を経てさまざまな案件を経験。プリセールス活動を行いながらプロジェクトの推進やセミナー登壇など、多岐にわたり活躍。ビッグローブ社に参画後は、主に光回線や格安SIMの専門家として、販売や広告、Webマーケティングから情報発信まで、幅広く担当している。

【著者・監修者からの言葉】
これまでのIT業界での長いバックボーンを活かし、思わず読み手の目に留まるような記事の執筆を心掛けています。

運営会社:ビッグローブ株式会社

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