モバイルワークの導入に欠かせない「EMM」とは
掲載日:2019年10月17日
更新日:2023年12月20日
平成30年版情報通信白書によると、スマホの個人保有率は20~30代で90%以上、40代で85%を越えています。しかし企業のテレワーク導入率はいまだに13.9%で、そのうちの約半数がモバイルワークを導入しているに過ぎません。その理由として、セキュリティに不安があり導入に踏み切れないといったことが考えられます。そこで今回はモバイルワークを導入するうえでセキュリティ対策として効果を発揮するEMM(エンタープライズモビリティ管理)の概要と、導入する際の注意点や選び方について考察していきます。
企業がモバイルワークの導入をためらう要因
企業がモバイルワークを導入することで得られるメリットはいくつもあります。大きいものとして、外出先からでも社内にいるのと同様の業務が可能になる点が挙げられます。これにより業務効率化が進むだけではなく、外出先からわざわざ帰社しなくてはならない回数も減り、経費節減にもつながります。ほかにもモバイル端末で資料の閲覧、提示が可能になることからペーパーレス化の実現も可能です。そしてオフィス外でも業務ができることでBCP(事業継続計画)にも大きな効果を発揮します。
しかしこれだけのメリットがありながらも、モバイルワークを導入している企業はまだ半数ほど。その最大の理由として考えられるのが冒頭でも触れたセキュリティへの不安ではないでしょうか。
これまで社内でしか閲覧することのできなかったメールや資料を外部からでも閲覧できることはメリットが大きい反面、もしモバイル端末を紛失したり、盗難されたりすれば、企業として大きな損害を受ける可能性も高まります。
モバイルワークを影で支えるEMMとは
さまざまなメリットがありつつも、セキュリティ面において不安があるモバイルワーク。しかしモバイルワークを導入している企業がセキュリティに無頓着なわけではありません。モバイルワークを導入している企業の多くは、セキュリティを強化するために以下のツールを活用しています。
・MDM(Mobile Device Management)
・MCM(Mobile Contents Management)
・MAM(Mobile Application Management)
そしてこれらのツールを統合し、一元管理を可能としたのが
・EMM(Enterprise Mobility Management)
ここではそれぞれのツールの概要、異なる点についてご説明します。
MDM |
リモートによる制御、アプリケーションの配布や利用制限、監視といった機能を持っています。万が一、外出先でスマートフォンを紛失した場合でも遠隔操作によりデータの消去が可能です。また管理しているデバイスにアプリケーションを一括でインストールして管理したり、GPSで位置情報や移動情報を監視したりといったことを行います。 |
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MCM・MAM |
MCMやMAMは、BYOD端末(個人利用の端末を業務でも利用すること)を管理するためのツールです。MCMであれば業務に必要なコンテンツのみ、MAMであれば業務に必要なアプリケーションのみをそれぞれ個人のデータと切り離して管理できるため、プライバシー問題の克服が可能。 |
EMM |
MDMは会社所有の端末を、MCM・MAMは個人所有の端末を管理するためのツールです。つまり、もし会社内にその2種類の端末が混在した場合、どちらのツールも導入しなければいけませんが、EMMであれば単体でMDM、MCM、MAMが提供するすべての機能を含有していて、一括管理が可能です。 |
EMMを導入する際の注意点
会社支給、個人所有にかかわらずスマートデバイスを一元管理できるEMM。ここではEMMを導入する際に注意すべき点をご紹介します。
注意点① 従業員のセキュリティ教育を十分に行うこと
どんなに機能が豊富でセキュリティ強化に役立つツールだとしても、それを利用する従業員のセキュリティ意識が低ければ意味がありません。
注意点② 個人端末を企業が管理することの十分な説明をすること
プライベートでも利用する端末を、会社で管理されることに不満を持つ従業員も少なからず存在します。個人データや個人で保有しているファイルまでを会社で管理するわけではないことを十分に説明して、従業員の疑念を払拭しておく必要があるでしょう。
「EMM」選定のポイント
次にEMMを選定する際、どこに注目すべきかですが、ポイントは下記3点になります。
・管理のしやすさ
・サポート体制
・マルチデバイス対応
一元管理ができても、その操作が難しければ、結局手間がかかってしまいます。また、いざというときにサポート体制が整っていることも重要です。そしてiPhone、Android、Windows、Macなどマルチデバイスに対応していることも重要なポイントです。Android、Windowsにしか対応していないといったことでは一元管理が実現しません。この3つのポイントはEMMを選択する際、必ずチェックするようにしましょう。
まとめ
EMMの最大のメリットは、モバイルワークで懸念されるセキュリティリスクを軽減することはもちろん、管理画面を通してすべての端末を一元管理できる点です。とくにBYODを利用している企業にとっては、私的な領域と業務領域の分離・保護といった管理ができることは大きなメリットと言えるでしょう。
ただ、今回ご紹介したツールのどれを利用するかは会社のスタイル次第であり、例えばBYODを利用していない企業はMDMで十分です。スタイルとコストに見合ったツールを選定し、安全で便利なモバイルワークを推進していきましょう。
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