IPv6とは?
接続方式の確認から設定方法まで解説
掲載日:2019年12月02日
更新日:2024年09月19日
インターネットをより快適に利用したい、Webサイトの読み込みや通信の速度が遅い現状を何とかしたい。そう思ったことはありませんか?
そんな方には次世代インターネット接続方式であるIPv6(IPoE方式)接続がおすすめです。
まずはIPv6か確認してみましょう
あなたの現在の接続方式がIPv6かIPv4か診断します。以下の通信環境判定結果をご確認ください。
このページでは、IPv6(IPoE方式)接続のメリットや基本的な設定方法について、初心者向けにわかりやすく解説します。
IPv6とは?
IPv6とは「Internet Protocol Version 6」の略です。
IP(Internet Protocol)は、ネットワークを相互に接続し、その中にデータを中継・伝送して大きなネットワークを作るための通信規約です。この通信規約の主要なバージョンが「IPv4」であり、次世代のバージョンが「IPv6」です。
インターネットを利用する際に、データをどの送信元からどの宛先に送るか判断するためには、住所のようなものが必要で、この住所に当たるものがIPアドレスです。
インターネットを利用する人や機器が増えるほどIPアドレスも必要になります。
世界中でインターネットの普及が急速に進んでいる現在、多くのIPアドレスが必要になっています。IPv6では、約340澗(340兆の1兆倍の1兆倍)個もの膨大なIPアドレスが割り振れるため、次世代のプロトコルとして注目されています。
IPv4とIPv6の違い
ここでは、先ほど出てきたIPv4とIPv6の違いを解説します。
IPv4とは1990年後半からインターネットの普及とともに浸透したIPの第4版のことで、現在でも多く使われているIPです。
IPv4が払い出せるIPアドレスは約43億個といわれていますが、すでにIPアドレスの在庫が枯渇しています。新規にIPアドレスが発行できなくなれば、新しい機器をインターネットにつなげないなど支障がでます。そこで登場したのが第6版であるIPv6です。
「IPv4」と「IPv6」の大きな違いは、使用できるIPアドレスの数です。割り振れるIPアドレスの数は以下のとおり。IPv6で割り振れるIPアドレスの数は膨大なため、IPv4で問題とされていたIPアドレスの枯渇の問題が解決されました。
IPv4 |
IPv6 |
|
---|---|---|
割り振れる |
約43億個 |
約340澗個 |
IPv6の接続方式は
PPPoE方式とIPoE方式の2種類
IPv4に比べてIPv6のほうが通信速度は速くなり、インターネットを快適に利用できるようになると思われている方も多いのではないでしょうか?IPv6ならどんな方式でも通信速度が速いわけではなく、大切なのは「IPoE方式」であるということ。IPv4ではPPPoE方式しか使えませんが、IPv6はPPPoE方式に加えIPoE方式が使えます。
PPPoE方式 |
IPoE方式 |
|
---|---|---|
対応IP |
IPv4、IPv6 |
IPv6 |
利用者 |
非常に多い |
少ない |
説明 |
PPP over Ethernetの略で電話回線を前提としたルール、Point-to-Point ProtocolをEthernetへ応用しインターネットに接続する方法。電話回線を前提としているため、利用者側でルータや専用の通信機器を設置したうえで、インターネットに接続する必要があります。 |
IPoEはIP over Ethernetの略で企業内のLANと同じ通信規格であるEthernetで直接インターネットに接続する方法。IPoE方式は帯域幅の広い通信網や通信設備を経由してインターネット接続するため、帯域幅の狭いPPPoE接続に比べインターネット回線の混雑を回避できます。 |
PPPoE方式は、通信のボトルネックになるネットワーク終端装置を経由する必要がありますが、IPoE方式はネットワーク終端装置を経由する必要がなくインターネットが利用できます。
つまりIPv6(IPoE方式)接続は、
・IPv4に比べ利用者がまだ少ないため回線が混雑しないこと
・通信のボトルネックになるネットワーク終端装置を通らないこと
という2点によって快適なインターネットを実現しています。
IPv6にデメリットはある?
IPv6のデメリットは、IPv4との互換性がないため、IPv4のみに対応しているWebサイトにアクセスできないことです。ただ、トンネル技術や変換技術、組み合わせによる運用などの対策を用いることでIPv6環境でもIPv4通信が可能になります。
なかでも、多くのプロバイダが採用しているのは「IPv4 over IPv6」という変換技術です。IPv4 over IPv6に対応したプロバイダを利用すればIPv6のネットワーク環境でありながらもIPv4通信に接続できるため、IPv6には実質大きなデメリットはないといえるでしょう。
次に、IPv4 over IPv6について詳しく見ていきましょう。
注目されている「IPv4 over IPv6」とは?
IPv4 over IPv6とは、IPv6環境で通信を行いながら、IPv4アドレスでの通信も可能にする技術です。IPv6パケットの中にIPv4パケットが含まれることで実現されています。IPv6に対応しているインターネットサービスやアプリケーションは増えてきてはいるものの、まだまだIPv4にのみ対応したコンテンツは多いため、IPv4 over IPv6が重宝されています。
IPv4 over IPv6の通信技術には「MAP-E」「4rd/SAM」「DS-Lite」の3つがあります。契約するプロバイダがどの通信技術を採用しているか確認し、その通信技術に対応したルータを用意することでIPv4 over IPv6が利用可能となります。
IPv4 over IPv6の2つのメリット
①回線が混雑しにくい
IPv6の通信はもちろん、IPv4の通信でもIPoE方式でインターネットに接続することができるようになります。
②インターネットの接続設定が簡単
ルータがIPv4 over IPv6の回線自動判別機能に対応していれば、LANケーブルをつなぐだけで回線状況を自動判定し、IPv4 over IPv6の設定が、自動的におこなわれます。
IPv6対応の光回線/プロバイダを選ぶ際の注意点
本記事ではIPv6をおすすめしていますが、IPv6を導入する際には確認すべきこともあります。ここではIPv6における5つの注意点をご紹介します。
接続方式がIPoE方式かPPPoE方式か確認する
せっかくIPv6接続にしても従来のPPPoE方式では通信速度は改善されません。重要なことはIPoE方式のIPv6接続に対応したサービスを提供しているプロバイダを選択することです。
IPv4 over IPv6に対応しているか確認する
IPv6非対応のインターネットサービスやアプリケーションが存在するため、IPv4 over IPv6に対応したプロバイダを選びましょう。
オプションの申し込みが必要な場合と不要な場合がある
IPv6接続は、プロバイダによって申し込みが必要な場合と不要な場合があります。契約するプロバイダが、別途IPv6オプションを申し込む必要があるのかを確認し、必要に応じてIPv6オプションの申し込みを行いましょう。
対応しているルータ(ルーター)が必要
IPv6に対応したルータでなければIPv6接続はできません。お手持ちのルータや、これから購入するルータが、IPv6対応ルータかを確認してください。
- IPv4 over IPv6の通信技術によっては一部、ルータが不要な場合があります。
対応していないサービスがある
IPv6に対応していないサービスの例として、固定IPやDNS、VPNサービス、特定ポートを使用するサービス、複数のユーザでIPアドレスを共有すると利用できないサービス、外部へのサービス公開などが挙げられます。
インターネットの設定方法・接続方法
IPv6(IPoE方式)接続対応のサービスを契約したあとのインターネット接続設定は初心者でも簡単です。Windows 10でのIPv6接続設定の手順は以下の通りです。
1. 「コントロールパネル」→「ネットワークと共有センター」を開く
2. 「アダプターの設定の変更」をクリックする
3. 接続可能なインターネット回線が表示されるので、利用しているネットワーク名を右クリックし、「プロパティ」を選択する
4.「インターネットプロトコルバージョン6(TCP/IPv6)」の項目にチェックを入れ、「OK」をクリックする
IPv6で接続されているかを確認する方法は?
IPv6で接続できているかを確認する方法は、以下の2通りの方法が挙げられます。
①IPv6の接続確認サイトを利用する
②端末の設定からIPv6接続を確認する
端末の設定からIPv6接続を確認する方法の場合について、IPv6に接続されているか確認する手順を端末別(Windows、Mac)に解説します。なお、Windowsに関しては10と11で、Wi-Fi接続の場合と 有線接続の場合のパターンも紹介します。
Windows10/11でWi-Fi接続の場合
1.画面右下にあるインターネット接続の中のWi-Fi接続のアイコンをクリック
2.接続済みになっているWi-Fiの「プロパティ」をクリック
3.表示された画面をスクロールして「IPv6 アドレス」の欄にアドレスが記載されていればIPv6で接続済み
Windows10/11で有線接続の場合
1.画面左下にあるWindowsマークを右クリックのうえ、「設定」をクリック
2.「ネットワークとインターネット」、「ネットワークの詳細設定」、「ハードウェアと接続のプロパティ」の順でクリック
3.表示された画面に「IPv6 アドレス」の欄にアドレスが記載されていればIPv6で接続済み
Macの場合
1.画面左上のアップルマークからシステム設定、ネットワークをクリック
2.接続されているWi-Fiの「詳細」ボタンをクリック
3.TCP/IPのタブをクリック、スクロールして、IPv6 アドレスが表示されていればIPv6で接続済み
※グローバルIPアドレスについてはdigコマンドで確認する方法もあります。
IPv6(IPoE方式)を使用するなら
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また、IPv4 over IPv6(MAP-E)に対応しているためIPv6非対応のインターネットコンテンツの利用にも対応できます。
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